vol9 太歳(たいさい)

香港の風水には、日本ではあまり聞きなれない「太歳(たいさい)」という言葉があります。

風水は天文学と深い関わりを持っています。 元々は木星が天体を12年かけて1周することから、その年に木星が宿る方位に太歳の神様が宿り、その年の干支には太歳が宿ると古代から中国では言われてきました。
昨年は申(さる)に、今年は酉(とり)に、来年は戌(いぬ)に太歳の神様が宿るのです。

太歳はパワフルな神様で破壊力があり、それがネガティブに影響すると病気になったり金運が落ちたり、人から訴えられたり、はたまた事故に逢ったり時には生命を失ったり、何か不吉な事が起きると人々から恐れられてきました。
そのため太歳を日本の厄年のように表現する方もいます。

太歳は方位も関わりを持っています。
丁酉年の太歳の方位は真西にあたります。
また、その反対を歳破と言い、今年は真東にあたります。

太歳の神様が宿る方位でじっとしていれば特に問題は起きません。
太歳の方位に寝室があったり、自身のデスクがあって座っている場合にネガティブな問題が起きることはほとんどありません。
しかし、玄関があったり、玄関や窓の向こうで道路工事を行なっていてエネルギーが良く動く場合は要注意です。

また、歳破の方位(今年は真東)にある場所で眠ったり、デスクに座っている場合も前述のトラブルが起きやすく要注意です。

ちなみに、今年の東の方位には玄空飛星の八白星が宿りますが、この方位には三殺、そして卯の方位に歳破が宿るため、お住いや事務所の東側は要注意の方位です。
その地域の東側も地球レベルの東側も要注意です。


では、太歳は本当に避けるべきエネルギーなのでしょうか?

歳破も太歳も危険を伴うので注意が必要ですが、太歳は避けることがベストの方法ではないと思います。
太歳のエネルギーはとても破壊力があり、真っ向から立ち向かえば、自らが粉々に砕けてしまうような相手です。
しかし、方法を考えれば味方にすることはできるはずです。

昨年10月から12月にかけてフジテレビ系で放映されたドラマ「Chef〜三ツ星の給食(参照:http://www.fujitv.co.jp/Chef/)」で天海祐希さん演じる主人公・星野ミツコは、古巣の三ツ星フレンチレストランの妨害に逢っても決して諦めず、独自で創業したフレンチの屋台を行列のできる店にしていき、最終的には古巣のレストランと良い距離感を持つことができました。

棋士・故村山聖さんの生き方は、映画「聖の青春(参照:http://satoshi-movie.jp)」の中でも、本の中でも、彼自身の人生の中でも、棋士としての自分を無理だと諦めず、研究に研究を重ねていきました。
そして、天才・羽生名人とも互角に戦い、多くの人を魅了していったのです。

方法を考えれば、太歳の力を味方にすることはできるはずです。

今年の丁酉年のエネルギーは、エネルギッシュに上へ上へと上る火のエネルギーで、スピード感を持っています。
問題が生じると「あれよあれよ」と言っているうちにどんどん拡がり、進行する力です。
上昇志向を持つエネルギーでもあります。

ということは、モチベーションがなく、なんとなく毎日をだらっと過ごしているような方や、一生懸命がんばる力に欠けている方にとっては大いに活用できるエネルギーなのです。

火のエネルギーは上手く使えば知恵として働きます。
人間の文明が大きく開花したのも、人間の寿命が躍進的に延びたのもこの「火」を人々が使うようになってからのことです。
つまり、このエネルギーがあれば頭の回転が早くなり知恵が備わります。

酉は桃花、つまり異性を魅きつける魅力です。
これは、異性だけではなく人を魅きつける力、人気者やリーダーになれる力でもあります。
人間関係を大事にしている方にとっては、今年は大いに活用すべきエネルギーです。

また、酉は十二の干支の中でも実はよく働く生き物です。
お米を食べて毎日コンスタントに卵を産み人々の役に立ちます。

太歳の神様に参拝に行くと、太歳の神様が味方してくれると香港では言われています。
参拝した上で、毎年違うエネルギーを持つ太歳の神様にどのようにアプローチすると味方になってくれるのかを考え、実行するのです。
厄を避けるのではなく、味方になってもらう。
前述の星野ミツコさんや村山聖さんのように決して諦めず、考えに考えを重ね求めていけば、味方にする方法は嬉しくなるほど沢山あります。

これが孟意堂の考え方です。