vol7 心がほっこり温まる、感動の結婚

香港では、毎年約5万組が披露宴を行うそうですが、縁起の良い年になるとそれが7万組ぐらいになるのだとか。

例えば2014(甲午)年は縁起の良い年と言われ、結婚披露宴が増えた一年でした。  今年も結婚にまつわる様々なドラマが繰り広げられているようです 。

香港の場合、何をして結婚と言うのでしょうか?

風水では何ができるのでしょうか?

風水では、新郎新婦のお二人が一緒に暮らし始めることを結婚と呼んでいます。

そして、我々風水師は一般的にはお日取りを決める手伝いをします。

新郎新婦のお二人が健やかで仲睦まじく子宝に恵まれ、仕事も金運もアップするようなお日柄を選ばなければなりません。

香港の場合、新郎新婦お二人だけの結婚とは見なさず、家と家との結婚とみなします。

二人が築く家族が繁栄するというよりも○○家が繁栄することを大事にしています。 

ですから多くの場合、新郎新婦の四柱推命だけではなく、ご両親の四柱推命も鑑定のための参考にします。

もしもお爺様やお婆様と一緒に暮しているようであれば彼らの四柱推命も参考にします。

ですから、吉日を決めるのは結構大変です。

しかも、

婚姻届を出す、

ご両親や親族に呈茶する、

結婚式をする、

披露宴をする、

等イベントがたくさんあるわけです。

 

上記のどのシーンが風水上一番重要ですか?とよく聞かれますが、ピンポイントにどれであるというよりこの一連の流れがスムーズであることが重要だと思います。二人が乗る車に徐々に勢いをつけるように、一連のイベントに合うような良いお日柄を選ぶ、というのが孟意堂のやり方です。

そして、もっと大事なのは結婚の感動です。

お父様やお母様、お爺様、お婆様を始め、挙式・披露宴に参加した人たちにとっては、これまで新郎新婦と暮らしてきたいろんなシーンが思い出され胸がいっぱいになることでしょう。

香港ですと、移民先のカナダやオーストラリアからわざわざ集まってくれる親類や友人たちもいます。久しぶりにみんなが揃い、シワが入っていたり白髪交じりになっていても元気であること、そしてあの日あの時と何も変わらない関係に胸がじんときます。

孟意堂のふるさと・名古屋の結婚式は「ド派手」で有名ですが、そのために両親は冠婚葬祭の互助会に入会します。娘が幼い頃からコツコツ貯めた互助会の費用でお父さんとお母さんは一生に一度の娘の晴れの舞台を作ります。できればこれからも一緒にいたいのに娘を嫁に出さなければならない。めでたい門出を笑顔で見送りたいのに涙が出てしまうお父さんとお母さん。

父と息子だけの親子。お父さんはずっと仕事をし続けて、プレゼンどころか人前で一度もスピーチをしたことがない。でも、子供の結婚だからと陰で何度も挨拶を練習し、本番でとちりながらも紙を見ながら最後までスピーチをやり遂げます。そして最後に参列した人々に深々と長いお辞儀をするお父さん。

事情があって結婚式を行わず、結婚して何年か経ち、それでもやっぱり後悔したくないから行った披露宴で、多くの方から暖かい言葉をもらったり、励ましてもらったり、祝福される喜びを実感する時。

親元から離れることの不安と自立してパートナーと新しい家庭を築く不安、年老いていく親に対する気持ち、そして自分たちを祝福してくれる人たちがこんなにいることへの感謝。

こうした感動が「この家庭を何が何でもたいせつにする」ことを決意させるのだと思います。

だから、披露宴を行える場合は披露宴、行えない場合は小さくても良いので結婚の報告をした方が良いと思っています。

表参道や横浜等にある「記念日」という意味をフランス語にした名前の結婚式場にはマルク・シャガールの「記念日」という絵画が飾ってあります。

二人が重なる偶然から出会えた感動と、二人が過ごしていく生活の素晴らしさや喜びがその絵に描かれています。

自分たちがあの時に得た感動と、あたり前に過ごしているけれどもかけがえのない喜びに感謝しているかのように、二人は宙に浮いています。

感動と喜びを「記念日」を迎える度に思い起こしているかのようです。

結婚、あるいは一緒に暮らすことで感動する。

そして、喜びを分かち合える人がいる。

 感動がずっと心にあれば、あたりまえにやってくるいろんな困難な出来事に「えいっ」と乗り越えられます。

 

風水はそれをサポートするだけ。

 

喜びで胸がいっぱいになったり、熱く感動することは決してダサくはありません。

   

生きて行く上でも実はとても大事なことなのです。