vol3 玄空大卦法

みなさん、こんにちは。孟意堂です。

先回はシンプルでかつ奥行きの深い八宅法をご紹介しましたが、今回はシンプルの真逆を行く玄空大卦についてのお話です。

風水は平面や地形を見る学問だと思われているようですが、玄空大卦は玄空飛星法と同じように時間と関わりがあります。

イマドキの言葉で言えば平面という2Dではなく時間軸を加えた3Dの方法ですね。

玄空大卦が玄空飛星法と違う点は、天の運だけではなく地の運があることです。

天の運は「三元九運」と言って、上元中元下元の3つの元があり、それぞれが20年の期間を持ち、全体で180年を1周期します。

地の運は陰と陽の組み合わせにより24年になったり、21年になったり18年になったり、一定の期間ではありません。

しかも1、2、3、4、6、7、8、9運と運は全部で8つです。

よって、地の運が天の運よりも一足先にやってくることもあり、それがこの手法の面白さの一つでもあります。

孟意堂の「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」のP19には天の運と共に地の運の一覧表が載っていますのでご覧下さい。

また、玄空飛星法と同様に1から9までの数字が登場してきますが、理気だけではなく、山や川などのらん頭にも関係しています。

言い換えれば、山や川などの良いらん頭があり、そのエネルギーを生かす理気が組み合わされることによってパワーが発揮される手法、と言った方が理解しやすいでしょう。

玄空大卦には64卦(け)が登場します。

64卦は易に由来しますので時間との様々な関係を持ちます。

時代が変わると頑固な人が「こだわりを持ち続けるすごい人」という評価に変わったり、すごい美人も環境が変わると「上から目線なのよね、あの人は。」という損な評価に変わるのと似ています。ある一つの真実に対するものの見方が時代とともに変わっていくのです。

64の方位の中はそれぞれ違った性格を持っています。

例えば、同じ北東の「艮(うしとら・こん)」にある地火明夷(ちかめいい)と天雷無妄(てんらい)では、同じ方位に隣同士に並んでいるものの、エネルギーの強さもその意味も五行も活用の仕方も違います。同じ北東でも、地火明夷のエネルギーをえてしまうと外から敗れ苦労と困難が伴います。乾燥した火の力のエネルギーを持つので、今年宿る玄空飛星の五黄星同様風水対策をしないといけない卦です。

その一方で天雷無妄のエネルギーを得ると誠実であり公明正大になります。この卦は今後九運にかけて強い力を発揮できるエネルギーで、いくら今年5黄という良くないエネルギーを持っている場所でも力を弱めてはいけないものです。

玄空飛星法だけでは分析できない力と面白さがこの手法にはあります。

孟意堂が73代目を継いでいる漢五派は、この玄空大卦法をとても重視しています。

この方法は、長い風水の歴史の中でお墓やお位牌などご先祖様の住む「陰宅」に多く用いられてきましたが、我々人間が住む「陽宅」にも応用することができるのです。

(続く)